うーん、ぶち壊れ!w
こんにちは、れもんです。
今回はDMPらしくデュエルマスターズに関して長文ご意見垂れ流ししようと思います。
Twitterでやったら怒られかねんし。
※デュエルマスターズについての知識がある程度ある人向けです。
デュエルマスターズ 超天編。
新たに登場した超GRゾーン、そしてGRクリーチャー。
それは時代を切り替えただけでなく塗り替えた。ガチャレンジこそ現代デュエルマスターズが誇る明確な〝インフレ〟の象徴です。
そもそも…デュエルマスターズは不死鳥編以降(正確にはタカラトミーになってから)、インフレによりゲームの〝面白さ〟と〝売上〟の向上を狙ってきたコンテンツです。
今更「無双竜機ボルバルザーク」や「蒼き団長 ドギラゴン剣」に文句を言ってもどうにもならないことと同様、超天編のインフレに物申したところで意味は無いです。
インフレに文句があるならデュエルマスターズを引退するのがベストな選択でしょう。
わたしは(まだ)辞めないですけど。
話は戻って、超天編について。
──超天編のメインギミック、GR召喚。そこには3つの失敗があった。
※と、あくまでわたし個人はそう考えています。色々ご意見もあるでしょうが、そこはほら、「エアプがなんか言ってんよー」くらいで流して、怒らずに読んでくださいね?
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1つ目の失敗、「コストを支払ったものとして召喚するというルール」
発売当初からヤバい点として注目されていた、GR特有のルールです。
デュエルマスターズは覚醒編以降、「大型クリーチャーのコスト踏み倒し」の歴史を歩んできました。
デュエマ初の両面カード、超次元クリーチャー。
ホーガン・ブラスターやミステリー・キューブ。ミラクルとミステリーの扉なんてのもありました。
進化クリーチャーを踏み倒す侵略や、様々なメリットを持つ革命チェンジは、今でも多くのプレイヤーに使用されています。
派手な切り札がノーコストで飛び出してくる。それは今日のゲームの速度の向上にも繋がっている訳ですが。
……その結果。
出所:デュエルマスターズ公式サイトより
《制御の翼 オリオティス》や《異端流し オニカマス》のような、所謂踏み倒しメタと呼ばれるカードたちが登場、活躍するきっかけともなりました。一方的にやられるだけでは無い、対策を立てて隙を着く──まさに頭脳の格闘技らしい戦法を可能にするカードたちです。
近年のデュエルマスターズでは「前年に出た踏み倒しの方法を直接的に対策する踏み倒しメタ」を翌年度から登場させるのが風物詩となっております。
インフレを持ち越さないようにしている、と言えば聞こえはいいでしょうか。
──それでは、ここでまずGR召喚のシステムについて振り返りましょう。
出所:デュエルマスターズ公式サイトより
▫3マナを支払い《超GRチャージャー》を発動。GR召喚を1回行い、GRクリーチャー1体がバトルゾーンに。
▫チャージャー能力により、唱えた《超GRチャージャー》はマナへ。
▶つまり3コストのカードでマナを1枚増やし、おまけにクリーチャーが1体出た。
ということに。GRクリーチャーは超GRゾーン……つまりデッキ外から飛び出してくるカードなので、完全なプラスアルファ。GR召喚をするだけで無から有を生み出せているのです。
要するにオマケでクリーチャーを出せるシステムなので、踏み倒しに分類されます。しかも、歴代のギミックと比較してかなり分かりやすく、扱いやすい。本当にオマケのようにクリーチャーが並んでいくため、非常にお手軽な展開手段でもあります。例のごとくこの踏み倒しによりゲームの速度も上がり、早ければ大体4ターン目くらいでゲームエンドを迎えるのが主流に。
加えて、超天編ではこのGR召喚を1ターン内に6回~12回、あるいは∞回行うことが通例となりました♨
仕方ないね。終わったことなので文句は言いません。
「おっ、不正かっ?」
「ならワイらの出番やんけ、よっしゃ。手札に戻したろ~」
……ところごぎっちょん。ここでオニカマスの効果は使えない。
なぜなら超GR召喚はコストを支払ったものとして召喚だから。ノーコストで出ているが、ルール上ノーコストではない。さらにさらに。超GRクリーチャーは最大でもコストが6、基本的に使用されるのは2~4コストのクリーチャーである、という特徴があります。画像の《ヤッタレロボ》はたったの2コスト。これではオリオティスのようなマナの枚数を参照するカードでも、容易に対策することができない。そのかわり、GRクリーチャーのパワーは低めであることが多いのですが。
そんなGRクリーチャーのルールと特徴により、旧来の踏み倒しメタ(多くは革命チェンジへの対策カード)は、ほとんど意味をなさない状態に。
つまり……GR召喚はお手軽な上に、対策方法が数える程しかありませんでした。
《機術士ディール/本日のラッキーナンバー!》
《暴走龍 5000GT》
《時の法皇 ミラダンテXII》
……使いやすくて腐らないカードと言えば、このくらいでしょうか。
多くのプレイヤーがGR召喚に笑い、GR召喚に泣く。そんな1年が続くこととなりました。なんたって対策できねぇんだもん。
今更ここでその事をグダグダ言っても仕方ありませんので、ここでは割愛します。
──そして、年度が変わった。
やってきたぜ十王編。
例のごとくGRクリーチャーの対策を行う「踏み倒しメタ」カードが登場することになった訳ですが……それが、悪夢の始まりでした。
出所:デュエルマスターズ公式サイトより
↑《U・S・A・BRELLA》。4コスト以下のクリーチャーが手札以外から登場するのを妨害する。GRクリーチャーのメリットであった低コストである点を、逆にデメリットにしてしまった。おまけに呪文耐性持ちでパワーもそこそこ高い。
出所:デュエルマスターズ公式サイトより
↑《ドラグ変怪》。手札以外からクリーチャーが踏み倒されると山札を5枚墓地送りに。効果を4~5回使えばゲームは終わる。かつての伝説のクリーチャーを彷彿とさせるその効果から着いた渾名は「置きヴォルグ」。
コストを支払ったものとして召喚する踏み倒しを対策しようとした結果、他の踏み倒し手段まで潰してるやん。
っていうね。
例えば墓地からの蘇生。
例えば山札からの踏み倒し。
超次元クリーチャーなどがその最たるものでしょうか。
完全に前年度を否定したいがために刷られたカードやろ、これ……。わたしはそう思った。
「コストを支払ったものとして召喚する」という独自のルールが、新たなやべーカードを生み出してしまうという、なんとも皮肉な結末を迎えてしまったのです。
ちなみにですが、こいつらの登場後もGRそのものは健在で、大型大会でもまだまだ結果を残しています。GRクリーチャーって……すごいね!!
https://twitter.com/t2duema/status/1281531276898349056?s=19
出所:Twitter、デュエル・マスターズ公式アカウントより
踏み倒しメタにしてもあからさますぎるだろ!!!!!!
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2つ目の失敗、「踏み倒しから踏み倒しを作った」
これが一番ダメでした。幸い、デュエルマスターズ公式も、その事は重々理解しているようです。
出所:デュエルマスターズ公式サイトより
《マリゴルドIII》そして《ヨミジ丁-二式》。
例の∞回GR召喚するやつの主犯。
他にも悪い奴らが居るのですが、こいつらは本当に悪い。2020年7月1日をもって名誉のプレミアム殿堂入りを果たし、現在は公式大会で1枚も使用できない。
……彼らの効果はわりと単純。そう難しいことはないのです。
「マナドライブ」という、マナゾーンに特定枚数のマナ、そして特定の文明のカードがあることを発動条件とした効果により、マリゴルドはマナから、ヨミジは墓地から、カードを踏み倒すことができます。
デュエルマスターズにおいて、マナゾーンを参照する「マナドライブ」の効果が妨害がしづらいのも、この2枚が活躍した要因でもあります。他の「マナドライブ」効果を持った現役バリバリのクリーチャーですら、いきなり3枚ドローしたりマナのカードを増やしたりと、悪いことは沢山します。
ヨミジとマリゴルドが、そんな「マナドライブ」持ちの面子の中から真っ先に使用禁止になった理由。それは──彼らが踏み倒し能力を持っていたから。
前述の通り、GR召喚は踏み倒し。
踏み倒しから踏み倒しをするのはヤバい。バルガライザーからバルガライザー出たら強いもん。それと一緒ですよ。
GRが無から有を生み出していることは先程も述べた通り。それだけならいざ知らず……さらにカードを出せるとなれば、そりゃあぶち壊れちゃう。多くの場合、ヨミジやマリゴルドで踏み倒されていたのはさらにGR召喚できるカードだったので、尚更タチが悪い。そりゃあ無限にGR召喚しちゃうよ。
なお、GR関連の強力なカードは運営側も意図して(はじめから殿堂入りありきで)壊れカードを作成したのでは?と思われていたり、いなかったり。
出所:デュエルマスターズ公式サイトより
↑《BAKUOOON・ミッツァイル》くん。こいつばかりは「ガチで殿堂ありきで作られただろ」と、わたしは思ってます。
ちなみにあと1枚、踏み倒しから踏み倒しするGRクリーチャーがいるのですが……そちらは運要素が強く絡むため良バランスカードです。何ででしょうね?
酔った勢いでカードを作るな、などと開発陣に対して失礼なことは言いません。ですが、テストプレイが果たして機能していたのかは疑問に思いました。
なんたって、有名プレイヤーなどではないわたしですら、ヨミジの効果を初めて見た時はあまりの強さに「やべえ」と呟いたほどですので。
GRクリーチャー、強すぎた。その事だけは確かです。
またまたちなみになんですが、超天編出身の殿堂入りカードは執筆時点で上記のプレミアム殿堂入りカード2枚と特殊なカード「零龍」を含めて5種類。どれも発売から1年を待たずに強すぎて1枚しか、ないし1枚も使えなくなっちゃったとさ。
わたしは今後も殿堂カードが増えると予想してます。特にこれとか↓
出所:デュエルマスターズ公式サイトより
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3つ目の失敗、「多様性の消失」
無限にGR召喚して、しかも4ターン目に勝てるなら……みんなそのデッキ使うよね?
という話。
《MEGATOON・ドッカンデイヤー》というカードを主軸にした、GR召喚を活用する無限ループデッキが大流行。大型大会のベスト4全員が「デイヤーループ」使用者だった、ということが起こるほどに。
現在ではヨミジとマリゴルドのプレミアム殿堂入りにより、(ほぼ)再現不可能なデッキとなりました。
同時期に流行った《バーンメア・ザ・シルバー/オラオラ・スラッシュ》を切り札に据えた「シータバーンメア」と呼ばれる高い攻撃性能を持ったデッキも、マリゴルドが使えない影響を受け若干の弱体化を受けることに。
まぁ両者のリペアデッキが現在も暴れてるんですけどね。
とは言え執筆時点、新たな「環境デッキ」が何になるのかまだまだ見えてこない状況です。
──話は戻って超天編。
「ドッカンデイヤー」に勝てるか、勝てないかでそのデッキの価値が決まる……そんな時代が一時期ありました。
少なくとも、わたしの体感だとGR召喚を使わないデッキは生き残ることは難しかったです。超GRゾーンという存在が、デッキ構築の幅を広げているように見えて、実は狭めている……そのように見えました。
↑
ここがわたしにとって1番大切なところ。
GRに勝ちたい。だからGRを使う。結局はそういう思考になりました。
何が1番言いたかったかと言うと、超天編、面白かったなぁ、ということです。
皮肉も込めて、ですけど。
デュエルマスターズというコンテンツが持つ「ポテンシャルのひとつ」が、悪い形で発露しただけであって……超GRゾーン、GR召喚、GRクリーチャーというシステムがつまらなかった訳では無かったです。
事実、スタートデッキ発売当初、多くのプレイヤーが新ギミックに心を躍らせたことと思います。かく言うわたしもその1人でしたし。
開発側の配慮が足りなかった可能性も無きにしも非ずですが、今回はユーザーの頭が良すぎました。「メルゲドッカン」などはその最たる例ではないでしょうか。
「ヒラメキスネーク」や「ヒラメキウォズレック」など、デュエマでは開発側が意図しない、予想できない挙動を起こすデッキがまれに生まれます。
今回もそのひとつだった──とまでは言いきれませんが、ユーザーが開発側に勝った、予想を超えてきたと言い換えれば何となく丸く収まりそう。これなら波風が立たないですよね。
結構書きましたが、超天編はやっぱりクソ。愛おしいほどにクソです。だから好きだったし面白かったんだと思います。
今回はここまで。
ではまた今度。
れもん